基本は
「ものづくり」
という姿勢。
河合美術織物株式会社取締役社長河合大介
2020年、ゆりの木は
30周年を迎えることができました。
祖父の代から数えて
私で3代目になりますが、
基本は小売ではなく
「ものづくり」という姿勢です。
元々親会社は
「河合美術織物」といいまして、
小売ではなく
実際に製品を作っておりました。
やはりそれがベースにあることで、
お客様からはどのお店にもない、
目新しいものがあるな、
と思っていただけたのだと思います。
そしてお客様に
「こういうものはありませんか」と
聞かれますと、それに対して
常に提案させていただいております。
それが30年間
やって来られた秘訣かなと思います。
デザインとしては古典が多いのですが、
それは「古い」と言うことではなく、
今風にアレンジすることで
凄く新鮮なものができる、
ということでもあります。
そういう姿勢がみなさんに
支持されてきたのだと思っています。
ご家庭の
財産となる
製品づくりを。
河合美術織物株式会社取締役社長河合大介
製品について心がけているのは
「生命力」です。
もし、一度か二度着て
もう着たくないなと
感じさせてしまうような
製品を作ってしまったとしたら、
それはもう製品ではないし、
販売側として
とても不親切なことだと思います。
そのためには
やはり生命力が必要なんです。
生命力がある製品というのは
必ずその娘さん、お孫さんまで
受け継がれます。
家庭の財産になるのですね。
ゆりの木ではお客様にとって
本当に似合っているかどうかを
しっかりと見極め、その上で
おすすめするようにしております。
したがって無理に
押しつけたりはいたしません。
本当に何十年も好んで
着ていただけるのか。
そこが本当に大事なところで、
ゆりの木の製品づくりの
根本だと思っています。
「見る」と
いうことの
大切さ。
河合美術織物株式会社取締役社長河合大介
40年ほど前に、
徳川中期の能装束を
復元させてもらったことがあり、
それが私のものづくりに
重要な役割を
果たしていると思います。
復元でひとつのものを
見続けていると、
元のきものの神髄をみようという
気持ちが起こってきます。
この部分がこの柄になっているのは、
創られた方のその時の気持ちが
反映されているんだな、
ということが分かってくるんですね。
それが非常に
役に立ったなと思いますし、
やはり復元という作業は大事だなと。
父から
この仕事を受け継いだときは、
とりあえず
「昔の作品をよく見ろよ」と
よく言われました。
「見る」ということで
伝わってくることが
すごくあるんですね。
それを積み重ねてきたことが
今でも役に立っているなと思います。